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「評価」の「評価」で人はHappyになれるか? [ネットワークの未来]

Hiroetteさんが非常に端的に信頼通貨のコンセプトについて説明してくださったのでトラックバック、実はこのような「嬉しかったらその分だけ自分の所得から相手に与える通貨」というのは、実は成り立たない訳です。
本音ではとっても嬉しくても全然嬉しくなかったフリをして、少しだけ払えば自分の所得が減らないで済む訳ですから、つまり何に対しても喜びを感じてない不感症なフリをする事が自分がもっとも得をする方法をなってしまう訳で。これじゃあ意味がない。

そこでいろいろと考えている方法論があるんですが、一つは個人の価値観を視覚化し、明確化する趣向のオープン化、それとその趣向に対して相互に評価し合える相互評価の仕組みを導入する点。また評価を評価出来る仕組み等をネット上にシステムとして作り上げる事というのが一点。
こちらの方は去年から思いついて、べき乗の集まりなどで何度もプレゼンをさせて頂いてますが、いまだにうまく全容を説明出来ませんですみません。

これによって何が起こるのかというと、自分の価値観、つまり自分が何に対して高い金を払ったかが一目瞭然になることで、その人の持っている価値観が周囲の人から評価されるような流れが起こるという事です。この辺、プライバシーの問題などが山積ですが、ネットならではの匿名性とSNS等に見られる関係性によって情報提示レベルをカスタマイズ出来る点を利用すれば、これらの問題の大半はクリアできるのではないかと考えています。

また自分の価値観が周囲に高く正当に評価される事で、周囲から評価(=通貨)が入る様になれば、人は自然とより高い評価を得る事に対して情報の生産(または評価)や様々な活動を行う事になると思われます。この辺は、あえていうなら全ての人が情報に対する「発言者」すなわちクリエイターであり、また「目利き者」つまり批評家になるなることが可能という事でしょうか。さらにいうならこの「評論家」を「評価」する事仕組みを付ける事で、「評論」自体も振るいにかけるという力を発生させる事が可能になる訳です。
この「振るい」ですが、ここがこの相互評価のポイントで、「振るい」の基準になるのは常に誰か偉い人が決めた絶対的な尺度が存在する訳でなく、自分の価値観や自分に共感できた近しい人の価値観を基準に、情報や評価を選別をネットワークやコンピュータにさせてしまおうという事です。この辺、グーグルの検索システム、又はAmazon.comの「この本を買った人はこんな本も買っています」や「〇 人中、〇人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。」がイメージに近いでしょうか。そんな様な事をする事で、多くの人の共感を得られるクリエイターや評論家はより多くの人から評価され多くの通貨をもらえる事が出来る様になる。という訳です。

では多くの人に評価はされないが、マニアックだったり小さな世界でのささやかな情報発信者や評論家はどうなってしまうのでしょうか。実はこの辺ネットワーク理論で昨今囁かれているロングテイル

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%ed%a5%f3%a5%b0%a5%c6%a5%a4%a5%eb
または麗しい澤といったものによって細かく分化されながらも、価値観を共有するもの同士が技術の進歩によってより容易に結びつく事で、ある程度の情報経済が成り立つのではないか?という事を考えていますが、それはまたいずれ。

とにかくこんな感じで、価値観の近しい人たちの間で相互評価による信頼通貨を発生させる事で、これまでの経済の流れとは一風異なった、Happyな通貨流通の様なものを起こせるんじゃないかと考えたわけです。


あと、もう一つは思いつきで書いてまだ熟考してない、自分では使えない人から貰うだけの通貨です。上記のものとどう混ぜるべきかも考えていないのですが。この辺の考えもかなりヒントになっている様な気がしてます。

実はこれらのアイデアは自分で思いついた部分もありますが、実はほとんどが今ネットに存在している様々なサービスを混ぜ合わせたものでしかありませんし、近い将来これと似たようなサービスが次々と生まれてくるでしょうし、私が知らないだけで実はもうかなり近いものが存在している様な期がします。実は去年mixiやはてな?といったサービスがそうだった。また最近ではSFCなどで非常に面白い考察や試みなどもされている様です。これはまだ詳しく見てないんで、見たら紹介します。


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replicorn

自分が付加した価値を客観的に見れるのはよいですね。そういうものが外から解るようになっていると、例えば企業がコアユーザに対して限定品などを販売するときに、ある程度ポイントの高い=より深い愛着を持っている人に絞って売ってあげることができますし、ダフ屋のように途中で一枚噛む人間を排除できそうです。なぜならまずは自分がそれだけ投資しなければならないからです。
 まぁ、愛着というのは投資額だけで量れないものですけど、この辺りは資本主義になってしまうのは仕方がないのかもしれませんね。
 気をつけなければならないのは、「仲間内でやりとりするだけで評価を上げることができてしまうこと」ができないようにすることですね。
by replicorn (2005-03-23 20:27) 

さかまた

情報化社会の何がすごいって、情報だけを送受信するだけならば、これまでの中間流通コストを究極的にはゼロに出来るという点でしょう。つまり情報財のパッケージや紙といった媒体としての存在そのものが付加価値の状態であると考える事が出来る点です。
指摘にあった「仲間内でやりとりするだけで評価を上げることができてしまうこと」は確かに私も懸念すべき事だろうと思っていますが、よく考えてみると、既存のテレビ局と電通等が絡んで作った映画を、自らのグループのテレビやラジオ、新聞雑誌等で宣伝やベタ誉をしている現状と実はなんら変わらない事なのではないか?と、最近思うようになりました。これって一見評価は高そうですが、え?というものも多分にある訳でして・・・。また相手にあげる通貨は基本的にデフレもインフレも起こさないシステムというのを考えているので、多分同じ所をグルグル回して資産を増やすマネーゲームをする。という事も出来ないんじゃないかな?とか考えています。
by さかまた (2005-03-24 03:00) 

replicorn

そうですね。情報のやり取りコストがゼロにできるのは大きいと思います。メールでも言われていましたが、ブラジルにメールしても距離もほぼゼロですし。今は個人でも製本したりするのも流行っていますから、これからは如何に低コストで効率良くパッケージ化できるかなどに主眼が置かれるのかもしれませんね。
 また、個人で著作権利用申請が簡単にできる(例えばゲームの画像利用料の代わりに続編ゲームの広告バナーを設置する、など)ようになると、もっと色々な情報が流れるかもしれませんね。
 インフレもデフレもしない通貨は「自分が価値を見出す」こと自体に意味ができるので、他人の評価に左右されないものができ上がるかもしれませんね。
 他人に与えるだけの通貨に関してはhttp://d.hatena.ne.jp/replicorn/20050326という方法もありかな、と思って文章を起してみました。良かったら目を通してみてください。
by replicorn (2005-03-24 20:41) 

さかまた

「個人で著作権利用申請が簡単にできる」というものの試みとしてネットではクリエイティブコモンズhttp://www.creativecommons.jp/などの活動が行われています。これらの方法論とネットでの情報流通の新しいシステムを組み合わせる事で面白い事が出来そうですよ。
by さかまた (2005-03-29 01:44) 

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