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【書評・総論】エンデの遺言「根源からお金を問うこと」 [通貨の未来]

自分にとってmustとなっていた『エンデの遺言』を読み終えましたので、それについての感想や、自分なりの解釈、
そしてそこから一歩進めた通貨に対する提案や想像を巡らせる書評を少しづつ書いてみようと思います。
今回は総評としてコレだけ。

柔らかい文章じゃなくてすんません。

エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」











■総論

現在の通貨システムにはやはり重大な欠陥がある。
また現状のシステムでの資本主義は、現代社会での多くの人の不幸を生み出し、
暴走する社会の様々な問題を解決できないシステムである事を強く確信した。
危機感を煽る事はあまりしたくないが、やはり人類は待ったなしの
曲がり角に差し掛かっているのではないだろうか?

しかし、この本で語られている様々な地域通貨の試みや方法論を
そのまま現在の社会に広めてゆき、理解を示してもらい、現状の
問題解消になるほどのパワーを持つ程のものには、残念ながら
感じる事が出来なかった。

この本で語られた試みは、まだ弱い力でしかない。

これらの通貨に対する新たな試みや施策は、今だ模索中であり、
発展段階である事も否めない。また、現状の社会システムとの軋轢を
生み出し、場合によっては国家によってその運用を廃止される怖れがある。

しかし、もし可能であれば、現状の社会システムとの軋轢を生まない形での
新たな試みを、エンデの遺言を受け継いだシステムを、ここまで進化した、
ネットワーク上に作りあげる事ができるのではないだろうか?
これが21世紀初頭の人類が成すべき事なのではないか?
という思いを強く感じた。

そう、ネットワークやコンピューターのテクノロジーの進歩は、
新たな通貨のルールを作り出す為の土壌として発展してきたのだと
言っても過言では無いと私は信じる。

既存のシステムとの併用から脱却までに要する時間は、おそらく
何世代にも渡って行われる事であると予想されるが、
その足がかりとなるものを、今作り始める事は意義があり、
価値のある事だと私は信じている。
出来ればその足がかりとなるものに、
僅かでも自分が関わっていける事が出来れば幸いだ。

そんな思いを改めて強く思った次第。

ミヒャエル・エンデの問いかけを、私は私なりに
しっかりと受け止める事が出来たんだと思う。
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コメント 9

ひでき

おひさしぶりです!

実際専門の方々も構造的な問題に根本のところから批判の声をあげているように感じます。

またいろいろ教えてください。
by ひでき (2008-05-11 12:32) 

tezy

どもども。いいですね。
気合はいってますね。
がんばっていきましょう。

by tezy (2008-05-11 14:28) 

さかまた

>ひできさん
おひさしぶりです、TBありがとうございます。
専門の方々が挙げている問題点の指摘にとても興味があります。
こちらこそ、今後ともご指導とお知恵を拝借させてください。

>tezyさん
いやー、思わず力を入れちゃいましたかねー?
ユルくやってるはずなのになぁ(笑)
気合が入って見えるようじゃまだまだ肩の力が抜けてないっすね。
by さかまた (2008-05-11 16:14) 

イソップ

お金経済で社会が動くようになったのは、
せいぜいこの200年くらいのことで、
不自然な金融マネーが世界を動かすようになったのは、
たかだかこの100年のことです。
人類の歴史の長さを考えれば、
こんな価値観が支配する時代は長く続かないでしょう。
それでは、拝金教の次に来る価値観とは何なのか?
エネルギー大量消費の次に来る価値観を巡って、
すでにヨーロッパ社会は、模索から行動に移行し始めています。
アメリカと日本は、すでに取り残されているのかも知れません。
by イソップ (2008-05-11 19:43) 

さかまた

>イソップさん
コメントありがとうございます!
歴史を見ると確かにもう次の方法論にシフトせざるを得ないのは私も強く認識してます。
イソップさんや私を含め、「もう、人に頼んないで自分たちでやっちゃおうぜ!」という人がネット上にどんどん現れているのはそういうことなんでしょう。
ここまで来たらそう遠くない時期に、一気に多くの人が次の方法論を模索し、行動を始めるのではないでしょうか。

また、北欧をはじめとするヨーロッパの取り組みは私も注目しており、
確実に日本が見習うべき姿を表しているのだろうと確信してます。

日本とアメリカは既に破綻を繰り返すネガティブなスパイラルに
突入してしまっていますが、だからこそ、未来を模索し、
ビジョンを示す人が、今求められているのだと思います。
by さかまた (2008-05-11 22:01) 

お日様だいすき

減価する通貨、お金も死ななきゃいけない。そんな風に制度をつくることでしょうかねぇ。労働と太陽エネルギーのフローが担保となる社会が構想されるんでしょう。
by お日様だいすき (2008-08-29 08:57) 

さかまた

>お日様だいすきさん
返信おそくなりました、コメントありがとうございます。
お金が死んだり減額するということはおそらく多くの人には受け入れにくい
仕組みなんだと思います。かといって延々とインフレーションを起こす通貨も問題なので、その中間点になるような仕組みが理想なのかもしれませんね。
by さかまた (2008-09-01 21:47) 

ひでき

さかまたさん、おはようございます、

「死ななきゃいけない」貨幣について教えていただきました。

http://d.hatena.ne.jp/Hicksian/20080921#1221942160

「スタンプ貨幣」だそうです。
by ひでき (2008-09-28 08:45) 

さかまた

>ひできさん
シルビオゲゼルの減額する通貨ですね。
「エンデの遺言」で廃坑の街で実際に使われ、大成功したが国によって廃止された。という例が紹介されていました。
減額する、というアイデアは素晴らしいと思いますが、貯蓄や利息でなんとかラクをしたい、という今の人々の価値観とはそぐわないので、うまく価値観の転換を計ることが今は重要なのではないかと考えています。
個人的には「持続可能な社会」とか「ピークオイル問題」とかが良いきっかけにならないかな、と思っています。
by さかまた (2008-09-28 10:48) 

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